弁護士黒澤真志のブログ

虎ノ門(西新橋)で法律事務所を経営している弁護士のブログです。日常の出来事や普段考えていること等について、フランクに綴りたいと思います。

誹謗中傷に対する心構え

近年では、SNS等における誹謗中傷が社会問題になっていますね。誹謗中傷に対しては、損害賠償請求や刑事告訴などの法的手段も考えられるところではありますが、これらによって対応するには限界があるのが現状だと思います。


それでは、誹謗中傷に対してどう対応すべきか。その1つの方法として、誹謗中傷に対する捉え方ないし解釈を改める、ということが考えられるのではないかと思います。
私は誹謗中傷に対しては、以下のように捉えるべきではないかと考えます。
1.一定の成果を出している証左であること
2.何かを成し遂げるための試練であること
3.味方になってっくれる人のために戦うべきこと
4.自分の評価は自分で決めるべきこと
以下、順番に解説します。

 

1.一定の成果を出している証左であること

 

誹謗中傷の原因は、実は嫉妬であることが多いのではないかと思います。すなわち、一定の成果を出しているからこそ、人々の目に留まり、一部の人から誹謗中傷を受けるという流れになっています。
逆に言えば、何らの成果も出していない人や注目に値する言動をしていない人には、誹謗中傷は発生しません。最近では「炎上」というキーワードが話題ですが、簡単には炎上させることはできません。SNS等を観察していればわかりますが、実は、単に過激な発言をするだけでは全く見向きもされません。炎上させること自体、そう簡単ではないのです。
なので、誹謗中傷が発生しているということは、成功のメルクマールと捉えてよいのではないかと思います。あなたが行っていることは、一定の社会的価値ないし意義があることなので、安心してください。

 

2.何かを成し遂げるための試練であること

 

上記1と同様ですが、何かを成し遂げようとする場合、必ず試練が訪れます。誹謗中傷も、その試練の1つと捉えることができるのではないかと思います。
どのような映画でも漫画でも、必ずや敵が現れますね。ドラゴンボールでも、悟空の前にサイバイマンが立ちはだかるときがあるはずです(記憶がややあやふやなので違ってたらごめんなさい。)。そうです。誹謗中傷している人達は、サイバイマンみたいな役割を担っているだけなのです(誹謗中傷するレベルの人でベジータみたいな大きな脅威となるような人はいないです。)。
誹謗中傷された場合、まずはそれに苦しむこともやむを得ません。ただその後に、それに対する解釈を改め、試練と捉えて、乗り越えていくべきこともあり得るのではないかと思います。

 

3.味方になってくれる人のために戦うべきこと

 

誹謗中傷を受けた場合、それをしてくる人に目を向けがちです。時には、誹謗中傷してくる人に対して逆に攻撃を仕返したりして、「炎上」の状態になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、よくよく考えてみれば、誹謗中傷をしてくる人の相手をする必要はありません。もちろん、真っ当な意見であれば耳を傾ける必要はありますが、誹謗中傷には何の価値もありません。その人達に対して、何かを理解してもらう必要もありません。無駄なエネルギーを使う必要はないのです。
本来やるべきことは、味方になってくれる人や応援してくれる人の期待に応えることなのではないでしょうか。誹謗中傷を受けたことによって自暴自棄になり、あるいは誹謗中傷してくる人達だけを意識してしまい、味方になってくれる人達を蔑ろにしてしまうのは、背信的な行為といえます。
誹謗中傷をしてくる人達ではなく、味方になってくれる人達に意識を向け、その方々のために何ができるかを考えていくべきではないでしょうか。

 

4.自分の評価は自分で決めるべきこと

 

そもそもですが、誹謗中傷してくる人の発言内容は正しいのでしょうか。その人達はあなたのことやあなたの周囲の事情をどれだけ知っているのでしょうか。他人の言うことなんて、全く当てになりません。たとえば、他人から「馬鹿」「ブタ」等と言われたとして、実際にあなたが「馬鹿」ないし「ブタ」であることはないでしょう。
自分の評価は、自分自身で決めなければなりません。これは誹謗中傷を受けた場合に限らないと思います。よく、他人の評価ばかり気にしてしまう傾向の人もいますが(どちらかといえば自分もこちらのタイプです)、それゆえに行動が制限されてしまい、自分の思い通りの人生を歩めなくなってしまいます。一度きりの人生なので、それはとても勿体ないことだと思います。
もちろん、他人の意見に耳を傾けることは必要ですが、それを踏まえたうえで、自分の評価の最終的な決定権者は自分のはずです。自分の評価は自分で決定しましょう。そして決定したら誹謗中傷の内容は忘れましょう。その決定が絶対的に正しいことは間違いありません。自分の決定に自信をもってください。

 

 

以上のとおりですが、少しでも参考になれば幸いです。誹謗中傷を乗り越える1つの手段として、ご活用ください。
なお、誹謗中傷に対して法的措置を希望される場合のその可否等に関しては、別途ご相談ください。