お勧め本の紹介:「飲茶」さん
最近読んだ本で良かったものの紹介です!
今回は、「飲茶」さんという、作家単位でのご紹介です。
本の題名に「史上最強」などとあるとおり、難解な哲学等の話をとても分かりやすく、かつ親しみやすいように書かれています。
社会に通用する教養のとっかかりを知りたい方には最適だと思います。
以下、それぞれ簡単な感想です。
・「史上最強の哲学入門」
ソクラテスなどの古代から現代に至るまでの西洋の哲学の流れを解説した本になります。
知の巨人達によって発見された「真理」が、時代を経るごと現れる新たな知の巨人によって次々に打ち破られます。人類共通の絶対的な真理はあるのでしょうか。
高校生のときに倫理の授業で少しだけ哲学の話がありましたが、この本を教科書にすべきなのではないかと思いました。
・「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」
インドの仏教から始まる東洋哲学に関する本になります。
実は読む前は全然興味がなかったのですが、飲茶さんの本の中で一番面白かったです。仏教は元々は哲学だったのですね。
みなさんは「悟り」の境地に達することができるでしょうか。
この本を読めば、「私」が実は無敵であることがわかります。
また、よく法事などで唱えられる般若心境の意味などもわかります。般若心境はただのおまじないのようなものではないのです。
・「飲茶の『最強!』のニーチェ」
「神は死んだ」等で有名なニーチェの思想を解説した本になります。
ニーチェに関しては、ルサンチマン、ニヒリズム、永劫回帰、超人思想などのキーワードを聞いたことがある方は多いと思いますが、その意味内容を理解することができます。
私はニーチェの思想にとても共感できます。普段、ぼんやりと考えていたことが、ニーチェの思想によってより明確になりました。
生きる意味がわからない、といった現代のニヒリズム的な状況下において、どうあるべきかを知りたい方にとっては、良い本だと思います。
・「正義の教室」
みなさんは「正義とは何か」と言われ、答えることができるでしょうか。
この本は、「正義」に関して、功利主義、自由主義、および直観主義の3つの視点から、物語形式で説明されています。
果たして絶対的な正義はあるのでしょうか。
世の中には色々な方がいて、話が全くかみ合わないなという方に出会うことも多いのではないでしょうか。でも、この本を読めば、その理由がわかり、そういった相手のことを少しは認めてあげることができるようになるかもしれません。
・「哲学的な何か、あと数学とか」
この本には、フェルマーの最終定理の内容とその証明に挑んだ数学者達の戦いの歴史が書かれています。
数々の天才達が挑み、散っていった超難問。ゲーデルの不完全性定理によって、数学の限界が証明されてしまったなかで、それでも正解があるとして挑み続けた人々の物語です。人類ってすごい。
哲学に関してはあまり触れられていませんが、読み物としてもとても面白かったです。
・「哲学的な何か、あと科学とか」
この本には、相対性理論から量子力学に関する話と哲学に関する話が書かれています。
私は科学分野の知識があまりなかったので、それに触れることができてとても興味深かったです。
この本を読むと、正直、頭が混乱します。今まで自分が正しいと思っていたことはいったいなんであったのか。科学をもってしても、絶対的に正しいということを、発見することはできないのでしょうか。自分の既成概念を壊すきっかけとして、良い本ではないかと思いました。
以上のとおりですが、全体に共通していえることは、「絶対的に正しいことなんてない」ということです。
科学も数学も哲学も、絶対的に正しいものを解き明かすことはできませんでした。前二者に関しては、限界が存在することが証明されてしまってさえいます。
なので、私は、たとえば誰かから突拍子もない話を言われたとしても、それを受け入れるようにはしています。もしかしたら、その方の話が正しいかもしれないから。
このように、絶対的な真理がない中で、私達はどうすればよいのでしょうか。
私なりのひとまずの答えとしては、一人一人が自分自身の固有の哲学を構築することではないかと考えています。
みなさんは、どのように考えますか?